マンションの自主管理を長くしていると必ずと言っていいほどクレーマーの方に遭遇します。
クレーマーは、一種の病気の様なもので、軽度のクレーマーと重度のクレーマーがいます。
またクレーマーなのか非常識なのかというのは紙一重で判断が難しいです。

ある時、入居している4人家族のご主人から電話がかかってきました。

入居者:「すみません。設置されている自動販売機の件で電話させてもらったのですが」
私:「自動販売機?自動販売機がどうされましたか?」
入居者:「毎朝会社行くときにコーヒー缶を買っているのですが、好きなコーヒー缶が入っていないので入れて欲しいんです」
私:「???」「あの、自動販売機は場所を自動販売機の業者に貸しているだけで、私が管理していないんですが」
入居者:「そうなんですか。ではその業者に好きなコーヒー缶を入れてもらえる様に言ってもらえませんか」
私:「???」「何度も言いますが場所を自動販売機の業者に貸しているだけで、私からそういう事は言えませんが」
入居者:「そうですか。それでは結構です」

少し非常識な電話で、大の大人がわざわざ電話をかけてくる話でもないと思ったのですが、それからまたしばらくして同じ入居者が電話をかけてきました。

入居者:「お湯がぬるま湯しか出ないのですが」
私:「ぬるま湯???」「それはいつからですか」
入居者:「ここ数日ですが」
私:「わかりました。今から見にお部屋に伺います」

給湯器が故障したのでしょうか。
給湯器の故障でお湯がまったくでないというのはよくありますが、ぬるま湯というのは聞いたことがありません。
さっそくお部屋を訪ねてみて、キッチンの蛇口をひねってみると普通にお湯がでます。

私:「ちゃんとお湯が出てますが」
入居者:「ぬるま湯しか出ないのはお風呂です」
私:「お風呂???」

お湯は一つの給湯器から出るので、お風呂だけぬるま湯というのは想像できません。
さっそくお風呂場に移動して蛇口をひねってみました。

私:「ちゃんとお湯が出てますが」
入居者:「蛇口を最大限ひねったらぬるま湯しか出ないんです」
私:「???!!!」「あの、それ当たり前の話で蛇口を最大限にひねるとお湯をわかす能力に限界があって、ぬるま湯になりますよ」
入居者:「それって故障ではないんですか」
私:「故障ではありません。給湯器の能力があって、このマンションについているのは全部同じ能力のものです」
入居者:「それではもっと大きい能力の給湯器に変えてもらいませんか」
私:「皆さん同じものをお使いで、この部屋だけとりかえることはできません」
入居者:「そうですか。それでは結構です」

一応、納得させてお部屋を退散しましたが、まったく非常識なのかクレーマーなのか、だんだんとわからなくなってきました。

それからまたしばらくして同じ入居者から電話がかかってきました。

入居者:「車を駐車場で洗いたいのですが」
私:「車を洗う???」
入居者:「はい。3階の窓からホースを下におろして車を洗いたいのですが」
私:「3階からホース???」

その方の部屋は3階なのですが、どうも3階のお部屋のキッチンの水道から1回の駐車場までホースを引いて車を洗いたいとの要求です。

私:「お部屋からホースを下すのはだめです。ほかの方に迷惑がかかったり、ホースが外れた場合、水びたしになります」
入居者:「そうですか。それでは結構です」

まったく非常識な方です。
しかしこういう方は、こちらの思いとは裏腹に、長く住み続け6年間の入居期間のあと退去されました。